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リウマチの治療

監修:東京医科歯科大学 名誉教授 宮坂信之 先生

目次

1. 薬物療法

( 1 ) 非ステロイド性抗炎症薬 ( 表4 )

この薬は、痛みに関連するプロスタグランジンという物質ができるのを防ぐことで、リウマチの痛みや炎症を軽くします。ただし、病気の進行を止めることはできません。

( 2 ) ステロイド ( 副腎皮質ステロイド ) ( 表4 )

活動性の高いリウマチに対して、抗リウマチ薬の補助として用いられます。速効性のため、日常労作を改善することができます。ただし、ステロイドを長く使っていると、糖尿病や骨粗しょう症、白内障、感染症などを合併しやすくなるので、抗リウマチ薬が効き始めたらすみやかに減量、もしくは中止します ( 図11 ) 。

( 図11 ) 「ステロイド」の副作用
( 3 ) 抗リウマチ薬 ( 表4 )

リウマチ治療の主体となる薬です。リウマチの免疫異常を調節したり、抑制することで効果を発揮します。効果が現れるまでは非ステロイド性抗炎症薬やステロイドが併せて用いられますが、効果が出始めたら、それらの薬は止めることもできます。

また、治療効果を高めるため、抗リウマチ薬を2剤以上併用することもあります。

どの抗リウマチ薬も効果の程度に個人差がありますが、抗リウマチ薬の中には、有効率が高く、関節破壊の進行を遅らせることができ、リウマチ治療の中心薬として使用されている薬剤もあります。ただし、骨髄抑制、肝障害、間質性肺炎などの重い副作用が起こることがあるので、定期的に検査を受けながら服用することが大切です。

( 4 ) 生物学的製剤 ( バイオ医薬品 ) ( 表4 )

生物学的製剤は、炎症性サイトカインのTNFα、IL-1、IL-6やT細胞などを標的として炎症を抑え、軟骨や骨の破壊の進行を大きく抑えることのできる薬です。抗リウマチ薬の効果が不十分な場合に用いられ、点滴注射や皮下注射で投与されます。わが国では、平成15年に抗TNF製剤が登場してから、現在までに7種類の生物学的製剤が使用可能になりました。患者さんが自分で注射できるキットも登場し、より便利な使い方ができるようになっています。また、最近では特許期間が満了した生物学的製剤の後続品で薬価が安いバイオシミラーも発売されています。

一方で、感染症を始めとする副作用や、高価であることなど、いくつかの問題点もあります。生物学的製剤の使用や、ほかの薬との使い分けなどについては、専門医の知識が必要です。

( 表4 ) 薬物療法に使用される薬剤の種類
治療薬の分類 役割 主な副作用
非ステロイド性抗炎症薬 ● 痛みや炎症の軽減
( 抗リウマチ薬の補助 )
胃腸障害、腎障害、肝障害など
※成分や製剤の改良により、副作用を減らす工夫がなされている薬剤もあります。
ステロイド
( 副腎皮質ステロイド )
● 痛みや炎症の抑制
( 抗リウマチ薬の補助 )
糖尿病、骨粗しょう症、白内障、感染症など
抗リウマチ薬 ● 免疫異常・炎症の改善及び抑制
● 軟骨・骨破壊の進行遅延
( リウマチ治療の中心 )
発疹、タンパク尿、肝障害、肝炎、間質性肺炎、感染症、血液障害など
※薬剤により、副作用の種類も異なります。
生物学的製剤
( バイオ医薬品 )
● 炎症抑制
● 軟骨・骨破壊の進行抑制
( 抗リウマチ薬の効果不十分例に使用 )
感染症 ( 上気道感染、肺炎など )

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