検査と診断法は?

診断・検査・治療について理解しよう

関節リウマチ(以下リウマチ)の原因はまだ十分わかっていませんが、研究が進み、少しずつ解明されてきています。従来リウマチは不治の病であると考えられていましたが、今ではその進行の速度を抑えることも可能になっています。患者さんも“治る”という強い信念をもって治療を受けて下さい。ご家族の方のご協力や主治医の先生との二人三脚が重要となるのです。

  • 症状は進行しますか?
  • どのような検査が
    行われますか?
  • 診断はどのように
    行われるのですか?

症状は進行しますか?

症状は進行しますか?

実際の経過は大きく4通りに分かれ、"寛解"に至る例も増えています。

1. リウマチの経過

多くの場合、リウマチはゆっくりと進行し、症状が急激にひどくなることはありません。リウマチの初期には、熱っぽい、からだがだるい、食欲がないなどの症状が続いたり、朝方に手指の関節周囲にこわばりを感じます。その後、左右対称に関節の腫れや痛みが起こりますが、これは指などの小さな関節から、やがて全身の関節へと拡がっていきます。
実際の経過は人それぞれですが、具体的には大きく4つのタイプに分かれます(図6)

2. 現在では半数近くが"寛解"し、関節破壊も抑制

リウマチの治療によって、関節痛などの症状が消え、血液検査などの値も正常に戻った状態を"寛解(かんかい)"とよびます。以前は、この寛解に至る患者さんはごく一部でした。しかし、最近は症状が出たら早めに受診する患者さんも増え、早くからメトトレキサートを始めとする抗リウマチ薬や、必要に応じて生物学的製剤を投与するようになり、半数近くの患者さんが寛解に到達し、関節破壊の進行も抑えられるようになりました。さらには、治療によりリウマチがほとんど進行しなかったり、薬の投与をやめても寛解の状態が続くこともまれではありません。
なお、現在のリウマチ治療の進歩はめざましく、進行型タイプの患者さんはさらに少なくなっていくと思われます。

(図6)リウマチの経過

(図6)リウマチの経過

監修:
東京医科歯科大学 名誉教授 宮坂信之 先生

項目の先頭へ戻る

どのような検査が行われますか?

どのような検査が行われますか?

血液検査や尿検査、X線検査などを組み合わせて行います。

1. 血液検査

血沈(図8)
血液中の赤血球が、試験管の中を一定時間内にどれくらい沈んでいくかを調べます(赤血球沈降速度、赤沈)。これは、リウマチの炎症の度合い(活動性)をみる検査です。正常値は、1時間で男性が10mm以下、女性が20mm以下で、リウマチが悪化するにつれて値が進んでいきます。

CRP
リウマチによる関節炎の程度を表すCRP(C反応性タンパク)の値を調べます。正常値は0.3mg/dL以下で、炎症が強いと10mg/dLを超えることもあります。

抗CCP抗体
環状シトルリン化ペプチド(CCP)とよばれる物質に対する抗体です。ごく早期のリウマチでも血液中にみられることから、早期診断に応用されています。この抗体が多くみられる患者さんは関節破壊の進行も早いため、メトトレキサートを始めとする強力な治療を行います。

リウマトイド因子
リウマチでは、自分のからだの細胞や組織に対する抗体が生み出されます。その一つがリウマトイド因子で、この値が高いとリウマチ反応が陽性とされ、リウマチが疑われます。
ただし、リウマチ患者さんの約75% で陽性ですが、残りの25% は陰性です。また、肝硬変や慢性肝炎、結核のほか、まれに健康な人でも陽性になることもあり、リウマチ診断に絶対的なものではありません。リウマチの活動性の評価に使用されることもあります。

マトリックスメタロプロテアーゼ3(MMP-3)
関節中の滑膜組織からつくられる酵素で、関節炎がひどくなると、その量はより増加します。リウマチ診断の補助に使われ、また治療薬の効果を調べるのに役立ちます。

そのほかの検査値
リウマチの活動期には貧血(赤血球の減少)がみられます。また、血清総タンパクとアルブミン値も低下します。反対に、白血球と血小板数は増加し、グロブリン値、アルカリホスファターゼ値が上昇することもあります。

2. 尿検査

リウマチが長く続くと腎臓の機能が悪くなり、尿にタンパクが出ることがあります。尿検査は、薬の副作用や、ほかに発病した病気(合併症)のチェックもできる大切な検査です。

3. 骨や関節の画像検査

X 線検査では、骨が虫食いのように欠けたり(骨びらん)、関節のすき間が狭くなって骨同士がくっつく状態(強直(きょうちょく))などから、リウマチの進行度がわかります。
関節超音波検査は、リウマチの早期診断に使われます。また、個々の関節の炎症の程度を知ることもできます。
CT 検査は、首(頸椎)や太もも(大腿骨頭)の病変、間質性肺炎などをみるのに有効です。
MRI 検査では、骨の中で起こっている炎症や滑膜の増殖の度合い、骨びらんなどが早くからわかります。

  • (図7)検査の目的

  • (図8)炎症の程度を調べる検査(血沈)

(表1) 関節リウマチの検査

検査の種類 正常値 目的
血液検査 血沈 20mm以下(女性)
10mm以下(男性)
・リウマチの活動性や炎症の程度を調べる
CRP 0.3mg/dL以下
抗CCP抗体 4.5 U/mL未満 ・リウマチの診断
リウマトイド因子 15 IU/mL以下 ・リウマチの診断
・活動性の評価
マトリックスメタロプロテアーゼ3(MMP-3) 17.3〜59.7 ng/mL(女性)
36.9〜121 ng/mL(男性)
・リウマチの診断の補助
・活動性の評価
尿検査 尿タンパク 陰性(−) ・薬の副作用や合併症を調べる
骨や関節の
画像検査
X線検査 ・リウマチの関節症状の進行度の評価
関節超音波検査
CT検査
MRI検査
監修:
東京医科歯科大学 名誉教授 宮坂信之 先生

項目の先頭へ戻る

診断はどのように行われるのですか?

診断はどのように行われるのですか?

症状や検査値などをもとに総合的に行います。

リウマチの診断は、症状ならびに血液やX線などの検査値をもとに総合的に行われます。最近では、より早期の診断を目指し、アメリカリウマチ学会(ACR)/ヨーロッパリウマチ学会(EULAR)による分類基準が用いられています(図9)。
リウマチと似たような症状を起こす病気はいくつかあります(表2)。このうち、変形性関節症は、指先の第一関節が硬く腫れ、中年過ぎの女性に多いこともあり、リウマチとよく間違われます。男性に多い痛風は、足の親指などが腫れて痛みますが、ほかの関節に炎症が起こることはないため、リウマチと区別できます。

(図9)ACR/EULAR分類基準(2010)

(表2)リウマチと間違いやすい病気

項目の先頭へ戻る

項目の先頭へ戻る

監修:
東京医科歯科大学 名誉教授 宮坂信之 先生
監修:
東京医科歯科大学 名誉教授 宮坂信之 先生

ページトップへ

ページトップへ