リウマチとはどんな病気?

病気のことをよく知ろう

関節や関節の周囲の骨、腱、筋肉などに痛みが起きる病気をまとめてリウマチ性疾患とか単にリウマチと呼びます。一般的にリウマチといえば「関節リウマチ」のことを指しています。「関節リウマチ」はリウマチの中でも患者数が多く、70万人とも100万人ともいわれています。

  • 関節リウマチは、
    どんな病気ですか?
  • 原因は何ですか?
  • どんな人がかかり
    やすいのですか?
  • どんな症状が
    みられますか?
  • 関節の症状は
    どのように
    起こるのですか?

関節リウマチは、どんな病気ですか?

関節リウマチは、どんな病気ですか?

免疫の異常により、主に手足の関節が腫れたり、痛んだりする病気です。

関節リウマチ(以下「リウマチ」)は、免疫の異常により、主に手足の関節が腫れたり痛んだりする病気です。進行すると、骨や軟骨が壊れて関節が動かせなくなり、日常生活が大きく制限されます。また、炎症は関節だけでなく、目や肺などの全身に拡がることもあります。
リウマチのかかり始めには、熱っぽい、からだがだるい、食欲がないなどの症状が続いたり、朝方に関節の周囲がこわばることがあります(図1)。その後、小さな関節が腫れ、やがて手首やひじ、肩、足首やひざ、股関節など全身の関節に拡がっていきます。
ちなみに、「リウマチ熱」という病気がありますが、これは溶連菌という細菌の感染によって起こる病気で、関節リウマチとは異なります。

(図1)関節リウマチの初期症状

リウマチと診断された年齢

監修:
東京医科歯科大学 名誉教授 宮坂信之 先生

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原因は何ですか?

原因は何ですか?

感染、過労、ストレスなどをきっかけに発症することがあります。

人のからだには、細菌やウイルスなどの外敵からからだを守るしくみ(免疫)があります。このしくみが異常を起こし、関節を守る組織や骨、軟骨を外敵とみなして攻撃し、壊してしまうのがリウマチです。
こうした病気は"自己免疫疾患"とよばれ、体質的にかかりやすい人が何らかの原因によって発症すると考えられています。その原因は、まだよくわかっていませんが、細菌やウイルスの感染、過労やストレス、喫煙、出産やけがなどをきっかけに発症することがあります。
また、リウマチが家系内で発症することもありますが、一般にそれほど強い遺伝性はありません。

監修:
東京医科歯科大学 名誉教授 宮坂信之 先生

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どんな人がかかりやすいのですか?

どんな人がかかりやすいのですか?

女性がかかりやすく、30〜50歳代で多く発症します。

日本のリウマチ患者さんの数は、70万人とも100万人ともいわれ、毎年約1万5000人が発症しています。全人口からみた割合は0.5〜1.0%で、この割合は海外でもほぼ同じとされており、地域による大きな差はありません。
年齢別にみると、30〜50歳代で発症した人が多く(図2)、男女比では人口1000人あたり女性5.4人、男性1.1人と、女性に起こりやすい病気でもあります。

(図2)リウマチと診断された年齢

リウマチと診断された年齢

監修:
東京医科歯科大学 名誉教授 宮坂信之 先生

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どんな症状がみられますか?

どんな症状がみられますか?

関節だけでなく、全身にさまざまな症状がみられます。

1. 全身に起こる症状

リウマチには活発に悪さをする時期(活動期)とそうでない時期があり、活動期には、からだのあちこちに症状が出やすくなります。微熱、体重減少、貧血、リンパ節の腫れなどのほか、目や口が乾いたり、息切れ、だるさ、疲れを感じることもあります。

2. 関節に起こる症状(図3)

朝のこわばり
リウマチに特徴的な症状です。からだや関節周囲のこわばりが、特に朝に強く現れます。リウマチが悪いと長く続きます。

関節炎
関節は熱っぽくなって腫れますが、赤く腫れることはまれで、動かすと痛みが強くなります。こうした関節炎は、手首や手の指の付け根、第二関節、足の指の付け根などの小さな関節のほか、足首、肩、ひじ、ひざ、股関節などの関節に起こることもあります。左右対称に起こったり、あちこちに移動するのが特徴です。

関節水腫(かんせつすいしゅ)
関節が炎症を起こすと、関節の中にある液が大量にたまることがあり、この状態を関節水腫とよびます。これがひざ関節に起こると、ひざのお皿の周りが腫れたり、ひざの裏側が袋状にふくらみます。

腱鞘炎(けんしょうえん)
腱は手や足の筋肉が骨に付着するところにあり、腱鞘という刀の鞘のような組織でくるまれています。腱もしくは腱鞘に炎症が起こると、腫れて指などの動きが悪くなります。いわゆる「ばね指」は、腫れた腱が腱鞘の中を引っかかりながら動くことで、指がばねのように弾みます。

滑液包炎(かつえきほうえん)
滑液包は、関節の周囲にある袋状の組織で、関節の摩擦を減らすゼリー状の滑液が入っています。ここに炎症が起こると、さらに滑液がたまって腫れ、痛みます。滑液包炎は、ひじや足関節、ひざの前面によくみられます。

関節変形
リウマチが進行すると、関節が破壊され、筋肉も萎縮するなどして、関節が変形します。外反母趾のような形や、手足の指が外側を向いたり反り返ったりなど独特の形状がみられ、これらは総じてリウマチ変形とよばれます。

(図3)関節の症状が出やすい部分

(図3)関節の症状が出やすい部分

3. 関節以外に起こる症状(図4)

リウマトイド結節(けっせつ)
ひじやひざなどにできやすく、大きさは米粒大から大豆程度までさまざまですが、痛みはありません。

肺障害
リウマチでは、肺に障害が現れることがあります。リウマチ肺とよばれる間質性肺炎(かんしつせいはいえん)や肺線維症は、症状として息切れや空咳などがみられます。また、肺に水がたまる胸膜炎(きょうまくえん)が起こることもあります。なお、リウマチの治療薬や感染症でも肺障害を起こすことがあるので、その原因についてよく調べることが重要です。

悪性関節リウマチ
リウマチでは、まれに血管に炎症が起こって症状が重くなることがあり、このような状態を悪性関節リウマチとよびます。太い血管の炎症では、心筋梗塞や間質性肺炎、腸間膜動脈血栓症などを起こします。手足の細い血管の炎症では、皮膚潰瘍や神経炎などを起こします。

二次性アミロイドーシス
リウマチの強い炎症が長く続くと、アミロイドというタンパク質がからだのあちこちにたまるようになります。アミロイドが腸管にたまって下痢を起こしたり、心臓にたまると心不全、腎臓では腎不全の原因になります。

こうした症状を起こす前に、適切な治療を受けることが大切です。

(図4)関節以外に起こる可能性がある症状

(図4)関節以外に起こる可能性がある症状
監修:
東京医科歯科大学 名誉教授 宮坂信之 先生

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関節の症状はどのように起こるのですか?

関節の症状はどのように起こるのですか?

滑膜組織から軟骨、骨へと拡がっていきます。

1. 最初は滑膜組織に炎症が起こる

骨と骨とをつなぐ関節は、図5の「正常な関節」のようなつくりになっています。軟骨はクッション、関節液は潤滑油として、関節を滑らかに動かす役割を果たしています。また、関節液は滑膜(かつまく)でつくられます。
滑膜は、薄い膜と軟らかな組織からできています。これらは滑膜組織とよばれ、関節を内側からくるんでいます。リウマチによる炎症は、この滑膜組織から始まり、しだいに軟骨や骨に影響がおよんでいきます。そのため、病気が滑膜組織にとどまっているうちに治療を始めれば、軟骨や骨が壊れるのを防ぐことも可能です。リウマチの早期発見・早期治療が大切な理由はここにあります。

2. 炎症性サイトカインなどで症状が悪化

リウマチの炎症が進行すると、滑膜組織からTNFα、インターロイキン1(IL-1)、インターロイキン6(IL-6)などの炎症性サイトカイン(炎症を起こす物質)や、中性プロテアーゼなどの酵素、活性酸素、一酸化窒素など、炎症を悪化させる物質が次々と生み出されるようになります。このうち、中性プロテアーゼは軟骨を壊すはたらきをします。
また、炎症性サイトカインは、骨を壊す役割をもつ破骨(はこつ)細胞のはたらきも活発化させます。壊れる骨の量が、日々新たにつくられる骨の量を上回ると、骨が壊れていってしまうのです。

(図5)関節リウマチの関節病変

(図5)関節リウマチの関節病変

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監修:
東京医科歯科大学 名誉教授 宮坂信之 先生
監修:
東京医科歯科大学 名誉教授 宮坂信之 先生

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