身体にやさしい生活を

近年、高齢化に伴い施設やマンションなどのバリアフリー化が進んでいますが、部屋の敷居などの段差が移動の妨げになっていたり、日常生活動作が不便な箇所が多いのが現状です。リウマチ患者さんは杖や車椅子を使用している方が多く、日常生活動作の妨げになる箇所があると不便です。また、骨粗しょう症になりやすいため、転倒しない工夫も必要です。暮らしやすく安全な住まいになるようにまず生活環境を整えましょう。

生活環境を整えるために、約半数の人が住宅をリフォーム

『2015年リウマチ白書』では、回答者7,041人のうち、約半数の方が住宅の改善・改修を「した」と回答しています。改善・改修したところは手すりが最も多く、続いてトイレ、風呂場、ベッド、水道栓の順でした(図)。

アドバイス1:トイレの改修・改善

トイレは洋式トイレが楽です。便座の高さを上げるための補高用便座シートを敷き、立ち上がりやすくするための手すりを取り付けましょう。他にも和式トイレの上からかぶせて洋式にする器具もあります。さらに温水洗浄機を取り付けると、手に変形がある方は拭く動作がかなり楽になります。トイレの足元には滑り止めマットを敷いておきましょう。

アドバイス2:浴室の改修・改善

腰掛けてから浴槽に入れるように、浴槽の横に台を置くと入浴の出入りが楽になります。浴槽内に椅子を置くと膝をあまり曲げないですみます。他にも、シャワー用の椅子が便利です。浴槽内に手すりが付いている浴槽もあります。また、浴室は滑りやすく危険な場所のため、転倒を防止する手すりや滑り止めマットを置きましょう。

アドバイス3:台所の工夫

台所仕事は関節に負担をかける動作が多くなるので、できるだけ関節に負担をかけないような工夫が必要です。蛇口をレバーハンドルに取りかえるなどの水道栓回しを取り付ける、ガス栓のひねり器具を取り付けるなどの工夫をしましょう。踏み台や椅子を使って座ってできるような工夫もできます。他にも、自動食器洗い機、フードプロセッサーや保温機能付き湯沸かしポットなどの台所作業を楽にする電気製品を多く使用しましょう。食器や鍋などを収納する棚はできるだけ手の届く範囲に設置すると楽になります。

アドバイス4:玄関に手すりなど

日本の住宅では玄関から廊下の床などの上がり口に段差があることが多いため、玄関の壁などに縦向きの手すりを取り付けると腰掛けやすくなります。また、段差の部分に階段のように式台を置き、横向きの手すりを取り付けると、段差の上り下りが楽になります。

アドバイス5:道路から玄関までの傾斜の改修

道路から玄関までの通路に階段や段差がある場合は、段差を小さく改修し、手すりを取り付けると安全です。将来の車椅子の使用を考えるとスロープの設置や滑りにくい床材にするなどの改修が必要です。

アドバイス6:室内の段差などの改修

丸いドアノブは回しやすいようにノブ用グリップバンドを取り付けるかレバーハンドルに取り替えましょう。車椅子を使用する場合は、車椅子が通ることができる開き戸に替えると便利になります。また、室内の敷居などに段差がある場合は、段差を解消して移動がスムーズになるように三角形の木片やゴム製のパッキン材を取り付けましょう。室内を本格的にバリアフリーに改修する方法もあります。

アドバイス7:足元を暖める工夫

外出時の防寒には気を配りますが、意外と室内の防寒が見過ごされがちです。関節が冷えるとリウマチの症状が悪化しやすくなるので、足元を暖める工夫が大切です。小さめのホットカーペットは足や腰を暖めるのに便利です。扇風機を使うと室内の空気の循環をよくして足元の空気を暖めます。また、トイレや脱衣所には小さな温風器を置いて暖めましょう。

監修:
順天堂大学医学部附属 順天堂越谷病院 院長 崎 芳成 先生
協力:
(公社)日本リウマチ友の会

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